九州南部における作付体系の 多様化による台風リスクの軽減効果

摘要

台風による飼料生産への被害の主なものと して、倒伏による減収があげられる（写真1)。 収穫間近に倒伏した場合には、収穫作業の 効率が低下するうえ、茎葉に付着した土砂が 収穫物に混入し、飼料品質が低下するなど大 きな影響を受ける。九州南部は畜産経営が多 く、飼料作物が多く作付されている。本地域は 台風の接近が他地域と比較して多く、被害を 受けやすいことから、台風をリスクとして捉え、 対処することが望まれる。一般にリスク対応に あたっては、対象とするリスクを特定し、どのよ うなリスク（被害）が発生するかを分析、評価 し、対応策を検討する必要がある。そこで、本 稿では九州南部での台風による圃場レベルで の減収リスクを対象に、過去の気象データを基 に年間収量への影響を試算し、作付体系を多様化させることで、リスクに対応できないか検討 した。