AI解析を志向した医療情報統合ブラットフォームの構築

摘要

数多くの人工知能(AI)を用いた診療データ解析による研究が盛んに行われるようになった.官民研究開発投資拡大プログラム〔PAISM (プリズム）プロジェクト〕"新薬創出を加速する人工知能の開発"では，国立がん研究センターの研究者や関連企業が参加して，肺がんの症例1,500例以上を収集することを目標とした，世界でも最大規模の肺がん症例デ一タベースの構築を進めている.AI解析を安全に進めるためには，安定したデータ収集基盤が必要となる.国立がん研究センタ一中央病院，研究所を中心に開発を進めている医療情報統合プラットフオームは，病院内の日常診療で発生する多種多様な病院情報システムの診療データを，AI解析研究へ連携するための安全かつ安心な診療情報の二次利用基盤の実現を目標としている.本稿では次期病院情報システムも含めた，現在開発中のプラットフオームの概要と設計方針について紹介する.