核燃料サイクルと核不拡散 拡散リスクの適切な評価にむけて

摘要

新たな核保有国の出現は、国際政治における力関係をシステム·レベルでも地域レベルでも大きく変化させることになるであろう。このような大きな変動は、国際社会の不安定化をもたらす。ゆえに、核兵器の拡散を防止することは、既存の緊張関係を緩和することと並び、国際社会の平和と安全を維持するうえで非常に重要な目標であると言えよう。現在、国際社会には九か国の核保有国がある。そのうち、米、ロ、英、仏、中の五か国は核兵器不拡散条約（NPT）によって核兵器の保有が国際法上許容されており、インド、パキスタン、イスラエルはNPTに加入せずに核兵器を保有する。北朝鮮の場合、NPTからの脱退を宣言し核兵器を保有するに至り、累次の「非核化」交渉はいずれも最終的な成果を挙げることはできていない。