人と設備を最大限に生かす工場O＆M（Operation ＆ Maintenance）のデジタルトランスフォーメーション

摘要

日本の製造業における最も大きな問題の1つが労働力不足である。近年では法律や制度、労働環境の整備が進み、高齢者や女性、外国人の活躍の場は増えてきているが、必要な労働力は確保できていない。また、近年のコロナ禍での移動制限、作業制限によりこの問題は深刻化しており、その不足分は業務効率を向上させることでカバーしていかなければならない。また設備の老朽化も深刻化している。日本の製造業の保有設備の平均年齢（ビンテージ）は、2016年から2019年には景気回復とともに低下の傾向をみせたが、いまだ20年以上の設備の増加傾向は続いており、さらに近年多発している大規模自然災害や2020年に入ってからのコロナ禍の影響により会社が設備投資を抑制しており、今後はさらに悪化することが予想される。よって設備の操業停止リスクは増加し、運用管理の現場は今後ますます過酷な作業を強いられることになる。