成層圏プラットフォームを用いた地上電波源位置特定システムの－検討

摘要

高度20km付近に滞空あるいは旋回させて無線中継基地としての利用が期待されている成層圏プラットフォームとしては、飛行船やソーラープレーンが候補となっている。 これらの機体の持つサイズは、極端に低い気圧条件のもとで飛行させるため、35m～200mといずれも必然的に大型になることが知られている。 この特徴を生かし、機体の底面いっぱいに分散してアンテナ素子を装着すれば大きな開口をもつアレーアンテナとなり、地上の電波源の位置を特定する用途に用いれば高い分解能が得られることが期待される。 しかしながら、そのような機体は一般に柔軟な構造となっており、アンテナ素子位置の較正が、各素子の振幅や位相の較正とともに必須の条件となる。 本報告では高度20kmに浮かぶ柔軟な構造体に広範囲にわたって装着されたアレーアンテナにより地上の電波源の位置を特定するためのシステムを提案し、アンテナ素子位置の較正方法に関して基礎的な検討を行っている。