静岡市内の河川中におけるノニルフェノール等の実態と非イオン界面活性剤中の成分

摘要

ノニルフェノールポリエトキシレート（NPE）は，好気的生物処理により生分解され，モノエトキシレートやジエトキシレートといったエトキシ類を生成し，さらに，嫌気的生分解によってノニルフェノール（NP）が生じるといわれているが，今回調査した2工場のうちの1工場の生物処理施設以外には明らかな好気的あるいは嫌気的条件は見当たらなかった。 そこで，2工場で使用しているNPE中のNP，エトキシ類を測定したところ，どちらのNPE中からもNPやエトキシ類が検出された。NPE中のNP，エトキシ類の濃度割合と排水処理工程水中の濃度割合を比較すると，ほぼ同じであった。 これらのことから，両工場の排水中のNP，エトキシ類はNPEが分解したものではなく，NPEの成分として含まれているNP，エトキシ類である可能性が高い。