水田圃場におけるスクミリンゴガイ捕殺卜ラップの 防除効果とブランド米開発システムの構築

摘要

近年、九十九里地域を中心に千葉 県内の31市町村で発生が確認されて いるスクミリンゴガイは、田植え後 間もない稲を食害し収量を減少させ ることから問題となっている。スクミリンゴガイPomacea canaliculata (図1) は通称ジャンボ夕ニシと呼ばれ、1983年12月に 農林水産省が有害動物に指定している。この貝は 本来食用として輸入され飼育していたものである が、業者の廃業に伴う生貝や卵塊の処分の不徹底 から用水路へ侵入し、水田へと定着していった。 分布状況を見ると増加傾向にあり、全国の発生面 積は10万haを超えている。スクミリンゴガイ の体内には広東住血線虫などの寄生虫がいる可能 性もあることから素手で触ることは控えたほうが よいとされている。繁殖力も旺盛であり、雌1頭の年間総産卵数は2,400-8,600個と 言われている。スクミリンゴガイの 防除にあたり、化学合成農薬の効果 は認められているが、農薬への極端 な依存は、多くの生物を犠牲にして いることを認識しなければならない。