認知心理学や認知神経科学の知見を基に認知アーキテクチャACT-R(Adaptive Control of Thought-Rational)の開発が進められ,認知活動に伴う情報処理プロセス及び脳の賦活部位の予測が可能になった.本研究では人間の高次認知機能の具体例として2桁加算課題と数字列完成課題を取り上げ,宣言的知識と手続き的知識を定義することによって課題の視覚認知から回答に至る思考プロセスをモデル化し,ACT-R上で実行して課題に深く関連する脳部位を予測した.さらに,得られた結果からfMRI(functional Magnetic Resonance Imaging)によって観測される脳内の血流量変化(BOLD:Blood Oxyglenation Level Dependent信号変化率)の予測を行った.また,2桁加算課題については,ERP(Event-Related Potential)データとの比較を行い,興味深い結果を得た.
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