自然の中へ入り込んで育まれるSense of wonderの感覚——二次林としての雑木林とのかかわりを通して

摘要

筆者が赴任した本校は，卜卜口の森※とよばれる 雑木林がすぐ裏にあります。都会の高校と違って, 豊かな自然を身近に感じることのできるこの環境 を，生物教育に活かしたい。林の生き物は，普段 の授業では教えられない多くのことを教えてくれ るだろうという期待とともに，いくつかの体験学 習を進めています。高校の生物基礎の教科害での「生態」では，二次林 である雑木林などはほとんどおまけのような扱い です。潜在植生から考えればかくあるべしという バイオームをなす群落名とその特徴を教えている のが実態でしょう。しかし，この地域に住む私たち が身近に感じることのできる森林というのは，ま さに雑木林であり二次林です。レイチェル'カーソンの著害名にもなつているSense of wonderを 実感するためには，身の回りの雑木林やそれを含 め里山の自然はとてもいろいろなことを私たちに 教えてくれます。