レオナルド·ダ·ヴィンチの手稿から－「機構学」入門：第4回 回転式距離計（かいてんしききょりけい）

摘要

以上が、今回紹介した装置の説明となります。キーポイントは、車輪に歯数が1枚の歯車Aを採用したことですが、若干、この機構には問題があります。それは、歯数が1枚の歯車Aと中間歯車Bが噛み合っていない間、中間歯車Bや歯車Cは固定されず、フリーな状態になります。そのため長距離の測定では、誤動作によって、正しく距離を測ることができない可能性があります。実は、レオナルド·ダ·ヴィンチもこの問題に気づいていたのか、問題が生じないような構成の装置についても手稿に書き残しています。その対策のポイントは、歯車Aをウォームギア、中間歯車をウォームホイールに置き換えるという方法です。ウォームとウォームホイールについては、連載第1回（2011年4月号）の自動巻取機にも使われていますので、ぜひ、以前の記事にも目を通していただければ幸いです。