原子力産業の国際展開急進展·深化の背景と展望－国際原子力ビジネス“協調と競争”の構図：原子力プラントメーカー3社の戦略－原子力事業のグローバル化戦略

摘要

国内電力需要の伸びの鈍化に伴って，電力事業全体について海外市場への構造転換が図られている。原子力事業においても，急速な原子力開発を推進している中国をはじめとして，米国では新規建設立ち上げに向けたプログラムが順調に進捗しているなど，海外市場は活性化しており，海外への事業展開が重要な課題となってきている。 日本の原子力産業界にとっての強みは，原子力導入期から現在まで発電所建設を継続してきたことで培われた設計·製造·建設技術の蓄積であり，世界市場に貢献し得る十分な力を有している。 一方，これまでの国内プラント建設中心の事業構造は，人的リソースやサプライチェーンのグローバル化という観点で課題を抱えており，グローバル企業との提携や，現地拠点化等によってグローバル化を図る必要がある。