上水分野における管路更生

摘要

上水分野の管路更新·管路更生には，主に鋼管やダクタイル鋳鉄管を揷入するパイプ·イン·パイプ工法（鞘管工法）が採用されている。しかしながら，パイプ·イン·パイプ工法では国道や軌道などの伏せ越し箇所では，曲がり管が多いため短い管長の新管を挿入することになり，断水期間が長期にわたることなどの理由から，プラスチック系材料による管路更生工法(自立管構造）が採用されている。また水管橋（水道管専用橋）においては，内面防食の目的でプラスチック系材料による管路更生工法が採用されている。上水分野の更生管が下水分野·農業用水分野と大きく異なる点は，ポンプ等による圧送管路であること，ならびに流体が直接人体へ入ることである。すなわち,更生管は高内圧に対する水密性能ならびに水質安全性能を有することが求められる。また農業用水分野同様に既設管路に曲がり部を多く含むため，曲がり部への施工性も必要となってくる。管路更生工法には反転工法·形成工法·鞘管工法·製管工法と様々な工法があるが，上水分野特有の要求性能を満足することのできる反転工法が多く採用されている。