ポイラ保守·保全の補修接合·再生技術

摘要

社会基盤を担う電力業界では規制緩和が進む中，発電コスト低減への種々の取組が活発に行われている。 すでに建設後20年，運転時間15万時間を超えたプラントの割合が半数以上を占めるようになってきた火力発電設備では，原子力発電が基底負荷用として使用されていくなか，頻繁な発停と負荷変化を伴う負荷調整運用化されている。 その結果，経年劣化と過酷な運転による各部の損傷が問題となり，発電コストに占める保守コストの割合が高くなる傾向にある。 このような状況の下，新設火力の高効率化と共に，既設火力の設備信頼性と保守コストの節約が同時に求められている。 そこで，本報告では，これらの要求に応える技術として，液相拡散接合による火炉壁補修技術，および高温厚肉耐圧溶接部のクリープ損傷を延命化させる再生熱処置技術について，それらの開発状況を述べる。