日本医科大学救急医学教室

摘要

日本医科大学救急医学教室は,1975年に本学付属病院に創設された「救急医療センター丄1977年の「救命救急 センター丄1983年に開設された救急医学講座が基盤となっています.その後,救急医学講座の大学院であった 日本医科大学大学院医学研究科外科系侵襲生体管理学が2012年に本学大学院改革の一環により同救急医学分野 に名称変更し，日本医科大学付属の4病院や関連施設の救命救急センター，救急部に人材を派遣し，現在に至っ ています.現在の救急医学のスタッフは，救急科専門医や指導医を取得していることを前提に外科,脳神経外 科，整形外科，集中治療,外傷脳卒中，中毒内視鏡など関連学会の認定医，専門医を有する救急専門医集 団です.2008年以来，当教室の研究テーマは「ショックに続発する臓器障害発生の機序解明」と設定していま す.外科,脳外科，整形外科，集中治療，熱傷,中毒,災害医学等をサブスペシャリティーに持つグループが 上記のテーマに関して複数の研究班に分かれ，相互に連携を取りつつ研究を行っています.また，当分野と関 連する11施設の救命救急センターと救急部のスタッフも幅広い臨床,ならびに基礎と臨床研究を行い学会や論 文発表をしています.医学博士を持つ教官が大学院生を直接指導することで基礎研究を進めています.多臓器 不全やショック，重症脳損傷，四肢軟部損傷をはじめとする重症病態の発生機序を解明すべく動物や細胞,遺 伝子レベルの基礎実験を続けています.ここでは,これまでの研究成果を紹介したいと思います.