湖沼水質保全特別措置法の改正による流出水対策と今後の取組み

摘要

わが国の公共用水域の水質については，湖沼等の閉鎖性水域の水質の改善が水環境行政上の重要な課題の1つである。 湖沼の水質については，水質汚濁防止法による工場・事業場への排水規制や家庭からの生活排水対策などに加え，昭和59年から湖沼水質保全特別措置法により，指定湖沼の関係府県が策定する湖沼水質保全計画に基づき，下水道整備等の対策が講じられてきた。 しかし，これらの対策によっても湖沼の水質について顕著な改善がみられないことから，平成17年に湖沼水質保全特別措置法の改正等を行ない，農地や市街地などの面源負荷対策や湖辺環境保護地区制度の導入，負荷量規制対象への既設工場・事業場の追加などの新たな対策を講じることとした。 これを受けて，平成19年3月には琵琶湖等の5湖沼において流出水対策推進計画を含む湖沼水質保全計画を策定したところであり，今後とも地方公共団体や関係各省などとの連携を深めて，湖沼のさらなる水質保全に取り組む方針である。