腋窩副乳癌に対しセンチネルリンパ節生検(SLNB) 手術を施行した1例

摘要

患者は74歳，女性で2017年9月頃より左腋窩腫瘤を自覚していた.受診時当科を受診された. 左腋窩に径2cm大で皮膚のひきつれを伴う腫瘤を認めた.全身CTで腫瘤は左腋窩皮下浅部に認 めた.左乳腺内に病変を認めず,また左乳腺と連続性はなかった.腫瘤に対し針生検を行い浸潤性 乳管癌，充実腺管癌，ER (3a) PgR (0) HER2 (3 +) Ki67 ： 10%と診断された.左腋窩副乳 癌と考え,同10月広範腫瘍切除術，センチネルリンパ節生検手術を施行した.センチネルリンパ節は 99m-Tcを用いたRI法とICG蛍光法を併用して1個同定し，迅速組織診断にて転移陰性を確認 し腋窩リンパ節郭清を省略した.切除標本の病理組織診断は腫瘍は左固有乳腺との連続性はなく， 左腋窩副乳癌と診断された.Aromatase阻害剤内服にて経過観察中である.腋窩副乳癌という稀 な疾患に対し,SLNBを施行した貴重な1例を経験したので文献的考察を加え報告する.ggg副乳癌，腋窩，センチネルリンパ節生検