AIを用いた超音波画像診断

摘要

超音波検査は他のモダリティと比較して，簡便性，非侵襲性，リアルタイム性に優れており，幅広い臨床医学領域で普及している.一方で，超音波画像は手動走査で取得するため検査者の熟練度に大きく依存し，また骨などの遮蔽物による音響陰影(影）の影響を受けやすいなど，その画像精度管理には特有の課題が存在する.よって，超音波画像診断におけるAIの活用により，医療従事者のマンパワ一不足やヒュ一マンエラ一を解消し，医療の質向上および均てん化が期待される.現在，わが国ではAIを用いた超音波画像診断支援枝術の研究開発を志向した大規模な超音波画像データベース構築が推し進められている.また，その実現には質の高い臨床データを用いて，データ構造化やアルゴリズム開発を含めたロバスト性の高い基盤技術の積み重ねが必要となる.