下水汚泥の液体コンポスト化における汚泥の分解に関わる細菌群集構造の解析

摘要

液体コンポスト化は，脱水前の下水汚泥を好気的に安定化（コンポスト化）する手法である。本研究では，液体コンポスト化における細菌群集構造の特徴を明らかにするため，分子生物学的手法（PCR-DGGE法およびPCR-Cloning法）による解析を行った。 その結果，運転開始から1週間程度で，種汚泥や原料汚泥とは異なる細菌群集が形成されることがわかった。 また，余剰汚泥，消化汚泥，可溶化汚泥といった汚泥の種類に関わらず，Bacteroidetes（Flexibacter属やChitinophaga属）とFrimicutes（Clostridium目）に近縁なクローンが全体の8割程度まで優占していた。 固形分負荷の高いほどClostridium目に近縁なクローンが，溶解性有機物負荷の高いほどFlexibacter属やChitinophaga属と近縁なクローンが優占するものと推定された。