定在波伝送線路を用いた導体材料の相互変調ひずみ評価

摘要

本稿ではPTM(受動柵互変調ひずみ：Passive Intermodulation)の新たな評価方法として短絡法を提案し，これを用いて金属材料そのもので発生するPIMを高周波帯で評価した．短絡法では特性インピーダンスによる様々な制限を一切受けないため，試料を自由な形状で評価することができる．これにより点波源で発生するPIMを評価することができるうえ，人力電力を一定にしたままで試料の電流密度を自由に制御することも実現される．また，本手法では終端負荷の必要がないため，ここで発生するPIMの影響を完全に無視でき，より高感度な測定が実現される．加えて、短絡により生ずる電流定在波の腹が試料に印加されるため，PIM特性をより大きく観測できる．これらの特徴により，微少なPIMを以前の評価方法に比べてより高感度かつ安定して評価できるようになった．一九本手法の有効性を金属細線と銅はくを用いて2GHz帯の実験で確徹した．金属細線を用いることにより，電流密度を容易に制御?計算することができ，これにより集中抵抗の存在がなくともPIMが生ずることを確認した. また，銅はくを用いた実験ではその種類によるPIMの速いを明確に識別することができた.