草地の新しい植生調査法（15)一世界一種数が豊富な国青海省のャク放牧草地

摘要

茨城大学の共同研究者4人とわたし（塩見）は，2001 年8月中国青海省海北盆 地の草地（草原）*に向けて， 成田空港を出発した。北京 経由で標高2,200 mに位置 している青海省西寧市に 所在する西北高原生物研 究所を訪問，高地に慣れる ために西寧市で2泊した。 そこから自動車で5-6時 間かけて，標高3， 800 mの 大坂隧道を抜け，峠の向こ う側，標高3, 200 mの盆地 にある同研究所付属施設 の草地に到着した。わたしの訪問は，1987年に次いで2度目であった。海北盆地は，標高5,000 mを誇る祁連山脈を遥かに 望む南側に位置している広大で平坦な盆地に存在している草地である。中国で一番大きな湖， 青海湖には近く，自動車で1時間くらいの距離である（図1)。