遺跡の保存と気候変動：敦煌莫高窟，ラスコー洞窟，高松塚古墳

摘要

何百年，何千年もの歴史をもつ遺跡は，その保存も長い時間のスケールで考えなければならない．たとえば中国の敦煌莫高窟は，王朝が興亡する中で洞窟に壁画が描かれたりうち捨てられたりしてきたが，砂漠化や多雨化などの地球規模の環境変動によって，王朝の興亡よりももっと大きなスケールで遺跡は影響を受けている．