自己免疫性凝固第VIII/8因子欠乏症

摘要

自己免疫性凝固第VIII/8因子欠乏症(AiFSD :後天性血友病A)は,近年日本において増 加傾向であり,非専門医への疾患啓発と地域における病診連携体制の構築が重要となってき ている. AiF8D症例の重症?致死的な出血事象に対しては,止血治療としてバイパス製剤を使用する が，特殊な製剤のため,診断時に熟練医へコンサルトまたは本疾患の診療が可能な医療機関 へ搬送することが望ましい. AIF8Dの診断後ただちに根治治療として免疫抑制療法を開始することが推奨されているが， わが国で本症に対して保険適用の薬剤はステロイドのみであり,実臨床において非常に制限 が多い. AiFSDは自己免疫性後天性凝固因子欠乏症の］疾患として指定難病（288番）に認定され ているため，医療費助成の対象である.