パーキンソン病の遠隔医療

摘要

遠隔医療の研究は1950年代の精神科のグルー プ療法や放射線画像診断分野で始まった1)2).神 経内科分野では脳卒中の分野で,特に血栓溶解 療法を速やかに行う目的で，1990年代に研究が 盛んとなった3). 本邦では,1997年に,遠隔診療は対面診療の 補完であるとした上で,対面診療に代替しうる程 度の患者の心身の状態に関する有用な情報が得 られる場合の遠隔診療は医師法第20条の無診察 診療の禁止に抵触しないことが明確化され,離 島?へき地の，対象となる慢性期疾患の患者に おいては，遠隔診療を行ってもよいとされた4). 2015年には,離島およびへき地の患者や慢性疾 患はあくまで例示にすぎないとの解釈を示され， 2018年度の診療報酬改定で，厚生労働省は,情 報通信技術(ICT)を活用した健康増進,医療に 関する行為全般を遠隔医療と定義し，遠隔医療 のうち，医師一患者間でICTを通じて,患者の診 察および診断を行い,診断の伝達や処方などの 診療行為をリアルタイムに行うことを「オンライ ン診療」と定義し,はじめて保険収載された5)