去勢感受性前立腺がんに対するAR阻害薬，docetaxel の併用：best combination/sequence

摘要

1941年にCharles Hugginsによって，アンド口ゲンが前立腺力3んの増殖に関与していることが発見されて以降，アンド口ゲン除去療法(ADT) が治療の根幹となった.転移性前立腺がんは大 きく分けて，①診断時すでに遠隔転移のある症 例（= de novo, synchronous),②根治的手術 ないし放射線療法後，遠隔転移をきたした症例 (=metachronous)，の2パターンがある.どち らの場合もはじめは去勢感受性転移前立腺がん (mHSPC)であるが，じきにADTに抵抗性となる (=去勢抵抗性転移性前立腺がん；mCRPC). mCRPCに進展後の予後はきわめて悪く，如何に してmHSPCの状態で病勢進行を防ぐかが，そ の予後や生活の質の改善に重要である.近年， ADTとタキサン系薬剤や新規抗ァンドロゲン薬 (AAT)の併用療法の有効性が示されつつある. 本稿では，mHSPCに対するそれら併用療法の大 規模臨床試験の結果をまとめつつ，どのように治 療法を選択するべきかの知見と今後の展望を述 ベたい.