［膵?消化管腫瘍の病理と分子異常］膵?消化管神経内分泌腫瘍の予後予測因子や治療効果予測因子

摘要

膵?消化管神経内分泌腫瘍gastroenteropancreatic neuroendocrine neoplasms (GEP-NEN)の予後予測 因子および治療効果予測因子については,これまで 様々な検討が行われ報告されている.予後予測因子に ついては,消化器腫瘍のWHO分類第5版(WHO2019) ではKi-67標識率と核分裂数によるgrade分類が採用 されており,GEP-NENの予後をよく層別化してい る.また，近年では統合的解析に基づく GEP-NENの 分子生物学的サブタイプ化と予後との関連について複 数報告されている.治療効果予測因子については, somatostatin receptor 2 (SSTR2)の免疫組織化学は somatostatin analogue (SSA)やペプチド各受容体放 射性核種療法 peptide receptor radionuclide therapy (PRRT)の効果予測に重要である.さらに，包括的 がんゲノムプロファイルcomprehensive genome profile (CGP)検査の保険収載と普及によりGEP-NEN の治療は大きく変革しつつある.本稿ではGEP-NEN の予後予測因子や治療効果予測因子について解説す る.