バイオセンサTSAb「ヤマサ」の基礎的?臨床的検討

摘要

1956年AdamsとPurvesはバセドウ病患者の血液中に long-acting thyroid stimulator (LATS) を初めて証明,次いで1965年LATS活性が血清のimmunoglobulin (IgG)分画に認められたことから，バセドウ病が初めて自己免疫疾患であることが証明された。1974年SmithとHallはLATSの標的抗原がTSH受容体(TSIIR) であり,バセドウ病患者のIgGが125I-TSHの TSHRへの結合を阻害するTSH受容体抗体 (TRAb)であることを明らかにした。現在,TRAbの測定法には標識リーガンドと 患者TRAbによるTSHRへの競合反応で測定するリーガンド競合アッセイとcAMPの産生を指標とする Thyroid Stimulating Antibody (TSAb)を測定するバイオアッセイがある。リーガンド競合アッセイには125I-TSHをリーガンドに使用したTRAb第1世代法とTRAb第2世代法，およびヒトTSHRに対するモノクローナル抗体，M22を標識してリーガンドに用いたTRAb第3世代法(以ド，測定結果をM22-TRAbと略)があり，現在TRAb 第3世代法は全自動電気化学発光免疫測定法が開発され，日常臨床で繁用されている。