cAMPバイォセンサおよび ヒトTSH受容体共発現細胞を用いた 新規TSBAb測定試薬 BIOSENSOR TSBAb YAMASAの基礎的検討

摘要

cAMPバイォセンサおよびヒト甲状腺刺激ホルモン受容体を共発現させたヒト胎児腎細胞293 を用いたBIOSENSOR TSBAb YAMASAについて基礎性能試験を行い，その有用性を評価し た。同時再現性，日差再現性において良好な成績を示した。溶血ヘモグロビンとTSHにおいて濃 度依存的な測定値上昇の影響が認められたが，その他血清成分やホルモン，薬剤による影響は検 討の範囲内で認められなかった。従来法との陽性一致率は78.3%，陰性一致率は97.0%，判定一 致率は91.5%であった。新たな刺激活性指標Stimulation Indexと阻害活性指標Blocking Index （TSBAb活性/Stimulation Index比）により，従来では評価不能であった刺激活性を有する検体 の阻害活性を評価できる可能性が示唆された。本試薬は1時間以内で従来法と同等の測定結果が 得られ，有用な試薬であると考えられる。