結膜感染症

摘要

結膜は，眼表面の中でも面積が多い粘膜組織 であり，炎症を起こすと血管拡張による充血を 生じる。結膜感染症には，感染性結膜炎，結膜 下膿瘍，緑内障手術後に生じる濾過胞炎が含ま れるが，一般臨床においては，結膜充血，眼脂 を主訴とする感染性結膜炎はよく遭遇する疾患 である。そのため本稿では，感染性結膜炎を中 心に解説する。感染性結膜炎の原因病原体は， 通常細菌もしくはウィルスであり，病原体によつ て，臨床所見，臨床経過が異なる。診断におい ては，家族歴などの問診，特徴的な臨床所見の 観察，病原体検出検査を行い，総合的に行われ る。治療や経過は，原因病原体によって異なる。