わくわくたんぱく質:たんぱく質を十分摂取できないときは、どんな工夫をするの?

摘要

臨床では、十分な量のたんぱく質を摂取してもらえない場面が少なくありません。その場合、どのような工夫が必要でしょうか?摂取量を把握し、リスクを共有するたんぱく質摂取が不足すると、機能性たんぱく質や筋たんぱく質が減少し、体の機能に支障をきたしサルコペニアが進行するという弊害が起こります。また免疫能も低下します。不足した状態がさらに継続し、脂肪を除いた体重(lean body mass；LBM)が健常時の70を下回ると命にかかわります。これを窒素死(nitrogen death)といいます。近年危惧されているのは、新型コロナウィルス感染症の感染拡大による生活パターンの変化で高齢者の外出の機会が減少し、サルコペニアが進行したという報告が複数出されていることです。食事の摂取量が不十分で、リスクの高い「崖つぷち」の状態であるにもかかわらず、患者本人や家族、ときには医療、介護スタッフもその危険性にあまり気づいていないことがあります。