日臨技「品質保証施設認証制度」の改正【抄録】

摘要

正確な診療に欠かせない臨床検査データは， 日々臨 床検査技師が実施する内部精度管理と， 自主的?定 期的に参加する外部精度管理調査の受検および， そ れらの結果を受けての是正改善の繰り返しによって， 検査データの品質が保証されている。しかしながら， 患者，国民の目からは， どの検査施設の品質が確保 されているのか， 見た目だけで判断することはでき ない。臨床検査の品質が， 医療を受ける国民の誰から も「見える化」されることが必要であると考え， 当会で は平成22 (2010)年度より日臨技精度保証施設認証制 度の運用を開始し， 公益社団法人日本臨床検査標準協 議会とともに， 基準を満たした検査施設を認証してき た。当該制度であるが， 令和3年度現在， 全国で814 施設が認証を受けている。しかしながら， 医療法改正 (医療法等の一部を改正する法律:平成29 (2017)年法 律第57号)により， 検体検査の精度管理の確保が努 力義務となった。検査室内だけの管理だけではなく， 施設内におけるすべての検体検査が対象となったため に， 旧制度における部分的な検査室の一部の標準化さ れた検査項目だけの認証では， このたびの改正法にお ける趣意を果たさない。正確にその施設が実施してい る臨床検査全般の内部精度管理の品質を評価し， 認証 する制度が必要となった。