循環器薬で知っておくべき相互作用の知識

摘要

薬物相互作用が起こる機序を理解しておく. 日常的によく使う薬は薬物動態を熟知し,相互作用を来す可能性の高い薬は覚えておく. CYPやP-糖蛋白の基質および誘導?阻害薬をある程度覚えておく. 近年, 高齢化の進行に伴い多くの慢性疾患を合併 した患者が増加しているが,その病態の中心は循環器疾患であることが多く,投与される循環器薬の種類や数も増えている.それに伴いポリファーマシー（多剤併用による副作用や薬物相互作用などの有害事象）の報告も増加し,対策が求められている.薬物相互作用を未然に防ぐためには,まず患者の処方内容および服薬状況を確実に把握することが大切である.そのうえで,薬の薬理作用だけでなく薬物動 態や相互作用をよく理解し,適切に使用する必要がある.