CTにて術前診断し初回に鏡アプローチを施行した虫垂炎を伴うAmyand's herniaの2例

摘要

鼠径ヘルニア内に虫垂が嵌頓したAmyand's herniaは比較的稀な疾患である.今回筆昔らは CTにて虫垂炎を伴うAmyand's herniaと術前診断し，腹腔鏡を併用した手術を施行した2例を経験 した.症例1は腹腔鏡操作で虫垂が還納可能であつたが，虫垂先端の壊死と限局性腹膜炎を認めたた め，虫垂切除術のみを施行し，2期的にtension free法でヘルニア修復術を施行した.症例2は腹腔 鏡操作では嵌頓した虫垂が還納できず，鼠径法を追加し虫垂切除を行った後，iliopubic tract法でへ ルニァ修復を施行した.Amyand's herniaでは虫垂炎を合併することを念頭に置き適切な治療を行う 必要がある.その際，腹腔鏡でアプローチを行うことで低侵襲に正確な病態の把握と治療が行える可 能性がある.