横隔膜弛緩症を合併した早期胃癌に対して 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を施行した1例

摘要

患者は69歲.男性.上腹部痛を主訴に近医を受診し，上部消化管内視鏡検査で胃角部の早 期胃癌を指摘され，当院を紹介されて受診した.精査の結果cT1b (SM) N 0 M 0 Stage IAの早期 肩癌と診断した.胸部X線，胸腹部造影CTで左横隔膜弛緩症を認めた.またbody mass index 29.7 と肥満1度であつた.早期胃癌であること，深い視野での操作が予想されたこと，術後呼吸機能低下 を軽減させることなどの理由から，腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を行った.横隔膜弛緩症については 無症状であり，処置は行わなかった.術後経過は良好で，第9病日に退院となった.手術後6か月現: 在，逆流症状を認めず無再発生存中である.