カイコを感染症モデル化合物に利用した抗生物質の探索

摘要

近年、抗生物質のin vivo評価方法として、輔乳動物以外の生物を宿主とした感染評価系が構築され ている。本研究ではカイコ幼虫を宿主として、真菌Candida albicansとメチシリン耐性黄色ブドウ球 菌（MRSA）を感染させる評価系を1次スクリー二ング系に導入し、新規抗生物実の探索を行った。従 来のペーパーディスク法と比較すると、選択される確率は著しく減少し、その中から実際に単離され た化合物は今日まで実用化された抗生物質あるいはその関連化合物を高頻度で含んでいた。またカ イコMRSA感染評価系からはノソコマイシンと命名した新規化合物群を発見することができたので、 MRSA感染に対する治療効果についても紹介し、カイコ感染評価系の有効性を考察する。