植物性スフィンゴ脂質の皮膚バリア向上作用の機構解明

摘要

スフィンゴ脂質は、真核生物の細胞膜構成成分の1つであり、細胞の分化ヤアポトーシスなどの生命現象に深く関わっていることが知られている。近年、食品機能成分としても注目されつつあり、中でも最も期待されているのが、皮膚バリア向上作用である。しかしながら、その詳細な作用メカニズムについてはこれまで不明であった。しかも、食品素材としてよく用いられている植物由来スフィンゴ脂質（主にグルコシルセラミド）と哺乳動物のものとは、その化学構造、特にスフィンゴイド塩基の構造が異なっている（図1）。