シワ防御剤と紫外線防御剤の開発に必要なバイオ評価技術メニュー：高速シワ人為的形成に伴う細胞間質の構造変化およびUV照射後の細胞死イベント時系列

摘要

シワは数十年の歳月で形成されるためシワ防御剤の開発や効能実証が困難だったが，広島県立大学三羽研究室は，ヒト皮膚組織に細胞死を引き起こさない臨界線量の紫外線A波を断続照射して模擬シワを高速形成させる系を開発し，この系への薬効候補検体の添加によるシワ防御効果に関して，皮膚表面レプリカとその凹凸ラインヒストグラム，皮膚基底膜でのIV型コラーゲン繊維のプレーン＆リベット構造の堅牢性，および基底膜直下オキシタラン構造でのエラスチン繊維の配向性の3点などから検証する方法を確立した。 一方, UV防御剤の効能実証では，紫外線A波とB波とによって照射後から細胞死に至る細胞傷害イベント（DNA塩基損傷，活性酸素の細胞内発生，核DNA鎖切断，細胞膜部分破綻，ミトコンドリア機能劣化）の時系列が異なるので，各イベントの最大時点でUV防御効果を評価しなければならないことを示し，効率的なUV防御剤の開発方法を提示した。