COVID-19パンデミック対策：日中米の違い COVID-19 control and prevention: what are the differences among Japan, China and America

摘要

新型コロナウィルス感染症（COVID-19)が世界 中で拡大している中，各国は様々な感染予防対策を 講じている。本文は日本，中国，米国の対策を比較 して，その相違点について個人の視点から説明する。日本人は真面目、几帳面、繊細の国民性として知 られている。また，他人に迷惑をかけてはいけないという考えが非常に強い。COVID-19感染拡大以来， 日本ではほとんどの人がマスクを着けて，手洗いを 徹底的に行っている。また，「コロナ警察」「自粛警察」 「マスク警察」と呼ばれる人々の存在が度々クロー ズアップされているほど，感染防御策を守らないと 周りの目力S厳しくなつているため，社会全体は「感 染しない」，「感染させない」のムードになっている。 日本には疾病対策予防センター（Centers for Disease Control and Prevention: CDC)のような機構が存在し ない。感染対策を主iする厚生労働省は専門家会議 の見解に基づき，新型コロナウィルス感染症クラス ターの同定を積極的に行っている。日本全国の保健 所，地方衛生研究所，医療機関はクラスターの追跡 調査を徹底的に実施しているため，これまで同定し たクラスタ一の数が2000以上もあり，感染の封じ 込めを行い，感染爆発を防ぐことに役立ている。ち なみに，ァメリカではクラスターがわずか3つの段 階ですでに感染爆発になった。専門家会議では既知 のクラスターの特徴を分析することにより，クラ スターの発生場所に共通する環境因子が密集、密 接.密室であることが，流行の早い段階から明らかとなった。それで，厚生労働省と内閣官房は「1.三密を避ける，2.安全な距離を保つ，3.こまめに手を 洗う，4.室内換気と咳エチケット，5.接触確認アブ リをインストール」というスローガンを掲げて，い い宣伝効果がある。ただし，接触確認アプリは使用 人数が少ないうえ，時に不具合がおきて，その効果 が疑問視されている。また，「コロナがただの風邪， 自粛が不要」という反科学の論調もたまに少数の政 治家と医学専門ではない学者から出てくる。なお， ワクチン開発が他の先進国と比べて遅れているた め，ワクチン接種も遅れている。2021年オリンピッ クの開催見通しが現時点で不透明である。