風土病と闘う：食の機能を中心としたがん予防基盤技術創出

摘要

宮崎県地域結集型共同研究事業（地域COE）のテーマは「食の機能を中心としたがん予防基盤技術創出」と設定した。 我が国における肝がん発症の主因となっているC型肝炎ウイルス（HCV）と南九州の風土病とも呼ばれた成人T細胞白血病（ATL）ウイルス（HTLV-1）由来白血病の発症・進展と治療および食による予防について、宮崎県を中核機関として、宮崎大学医学部と農学部、県内の公設試験場および県内有力企業が連携してチャンレンジしたものである。 本稿では宮崎県初の産官学連携大型プロジェクトの簡単な概略を紹介し、次いで地方が抱える産官学連携のあり方についていくつかの問題点等を述べたい。