カルモジュリンキナーゼに特異的に作用するホスファターゼ

摘要

哺乳類において、細胞内の全タンパク質の30％以上がある特定の時期にリン酸化を受けており、リン酸化を調節する酵素をコードしている遺伝子は全体の5％にも達している。 なかでもカルモジュリン（CaM）キナーゼはCa~(2+)刺激によってリン酸化され活性型に変化する酵素群で、様々な基質のリン酸化を介してカルシウムシグナリングの中心的な役割を担っている。 本稿では、筆者らが見いだした多機能性CaMキナーゼに特異的なプロテインホスファターゼに関する最新の知見と、今後の展望について紹介したい。