東京都立看護専門学校実習カリキュラムの概要（後編）

摘要

前回は、東京都立看護専門学校（以下、都立看学）の臨地実習の考え方に続き、基礎看護学?地域?在宅看護論の臨地実習の構成について報告した。後編となる今回は、成人?老年看護学実習、精神看護学実習、小児看護学実習、母性看護学実習、看護の統合実習について報告する。成人看護学。健康意識の高まりや医療の高度化、在院期間の短縮など、成人の健康問題を取り巻く環境は大きく変化している。たとえ健康が障害されても社会生活を中断せずに治療する、あるいは入院治療を行っても早期に退院し、外来で治療を続けるようになった。このように成人期にある人の健康問題には、生活者としての視点が欠かせない。また、患者のニーズに沿った多様な対応が求められ、「その人らしさ」を尊重した看護がより一層重要となった。成人看護学では、健康問題と生活者という2つの視点と成人期における看護の特徴をふまえ、基礎的な知識?技術を習得する学習内容とした。