加齢黄斑変性診療のリスクマネジメント

摘要

加齢黄斑変性は失明に至りうる重篤な網膜疾患である.今後さらなる超高齢社会で は著しい増加が予想される.滲出型加齢黄斑変性診療においては，特に蛍光眼底造影，抗 VEGF薬硝子体注射，光線力学療法などの検査?治療の侵襲性が高いため，予想される副作用 や併発症について把握する必要がある.各々の検査,治療についてや治療予後，通院間隔につ いて事前に患者本人?家族に十分な説明を行うことがトラブルを回避するうえで重要である. 加齢黄斑変性の前駆病変や萎縮型加齢黄斑変性に対しては,現在,積極的治療は存在しないが 禁煙や食生活などの生活習慣改善とサプリメント内服が推奨されている.ただしあくまで予防 的治療であることを強調する必要がある.