テレコム海外研究: 米国におけるスパムメール規制と世界的な取り組みの進展

摘要

本稿では、近年取り組みが活発化しているスパムメール対策を取り上げ、米国の法制度整備、技術的対策の動向、世界的な取り組みの広がりを紹介する。 米国では、各州レベルでスパムメール規制が実施されてきたが、2004年1月からは連邦法である「CAN-SPAM法」が施行され、全米レベルでの法的整備が行われた。同法はメールヘッダの改ざん、詐欺的な内容、適切なラベルを付けない性的な内容の迷惑メールを取り締まるものである。 さらに、2004年8月4日、連邦通信委員会（FCC）は「CAN-SPAM法」の一環として、携帯端末へ商用利用を目的とした未承諾メールを送ることを禁止すると発表した。 これは、PCへの広告メールの送信よりも厳しい規定となっており、事前に承諾を得ている利用者へのみ広告メールの送信が可能となっている。