生存時間応答の要約指標一restricted mean survival time を中心にー

摘要

死亡，腫瘍の増悪や再発，ある有害事象の発 現など特定のイベントが発現するまでの時間を評 価する臨床試験では，Kaplan-Meier法で生存曲 線を図示し,log-rank検定で生存関数の群間比較を行い，Cox比例ハザードモデルを用いて要約指標であるハザード比を推定して,治療効果の大きさを議論することが多い.がん患者を対象とした臨床試験では,有効性の評価項目として,あ らゆる原因による死亡までの期間と定義される全生存期間(overall survival),腫瘍増悪またはあらゆる原因による死亡までの期間と定義される無増悪生存期間(progression-free survival),再発またはあらゆる原因による死亡までの期間と定 義される無再発生存期間(recurrence-free survival, relapse-free survival)などがあげられる. 安全性についても，投与開始から最高グレード発現までの期間,最高グレード発現から回復までの期間などが要約されることがある.