漁業系廃棄物処理で新指針及びガイドライン:水産庁増殖推進部漁場資源課 環境省環境再生、資源循環局廃棄物規制課

摘要

近年、海洋プラスチックごみの問題が国内 外において高い関心を集めています。世界全体で年間800万トンを超えるプラスチックご みが海洋に流出していると推計されており1、 このまま流出が続けば2050年までに海洋中に 存在するプラスチックの重量が魚の重量を超 過するとの試算も報告2されています。この海洋プラスチックごみは、海洋で漂流したり、海岸に漂着したり、又は海底に堆積 したりすることで、生態系、生活環境、漁業 や観光に悪影響を及ぼすことが懸念されてい ます。実際に、漁業では、操業中に漁網にプ ラスチックごみが漁獲物に混じって入り、分 別や処分等が漁業者への重荷となっています。 さらに、「マイクロプラスチック」と呼ば れる5mm以下の微細なプラスチック類につ いても、含有、吸着する化学物質が食物連鎖 の中に取り込まれることで、生態系等の海洋 環境に深刻な影響が懸念されるほか、微細で あるため、一旦海洋に流出した場合、その回 収.処理が困難です。マイクロプラスチックが魚介類に与える影響は不明な部分が多いで す力、カタクチイワシの消化管からマイクロ プラスチックが検出されたり、ォキアミがマ イク口プラスチックをさらに細分化することが判明したりするなど、魚介類に取り込まれ、 排出されることが分かりつつあります。現状 マイクロプラスチックによる人間への具体的な健康被害は明らかになっていませんが、今 後海洋中のマイクロプラスチックの量が増加 すれば、何らかの影響があるのではないかと 懸念されています。このマイクロプラスチッ クの代表的なものには、洗い流しのスクラブ 製品に含まれるマイクロビーズがあります が、走行により摩耗するタィャゃ洗濯で衣類 から発生する繊維くず、その他大きなプラス チック製品が紫外線等により劣化して発生す るものもあります。