回復期リハビリテーション病棟における脳疾患片麻痺患者の整容動作評価表「Functional Grooming activity Assessment（FGA）」の作成と信頼性?妥当性の検討

摘要

【背景】脳疾患片麻痺患者では，整容動作は自立する割合は高いが，介入の必要性は低くない動作である．今回，動作工程ごとに詳細に評価する整容動作評価表を作成した．【対象】2015年8月?2018年6月に東京湾岸リハビリテーション病院回復期病棟に入院した脳疾患片麻痺患者で，日常的に整容動作を行う49名とした．【方法】評価表の素案を作成し，当院作業療法士へのアンケート調査により内容妥当性を検討した後，作成した評価表で対象者の整容動作を評価し，信頼性と妥当性を検証した．【結果】評価表の各項目は良好な内容妥当性を得た．検者間信頼性（κ係数）は多くの項目で中等度?低い一致を認め，一部の低い一致率の項目は単純一致率が高値であった．クロンバックα係数は全動作で0.700以上を示しており，Functional Independence Measure?Barthel Indexとの相関係数は0.693以下と中等度?弱い相関を得た．【結語】本評価表は改善の余地はあるが，整容動作を総合的でなく各整容動作で評価する必要性と，詳細に評価する手段である有用性を示した．