ポスト京都の枠組みと石油今こそ必要なエネ高度化利用促進法

摘要

日本の将来像として「低炭素社会」という言葉がすっかり定着した。 「福田ビジョン」では「低炭素社会·日本」をめざして「低炭素社会」の構築を呼びかけ、「骨太の方針2008」では、温室効果ガスの「2050年半減」という世界の目標実現に向け、世界に先駆けて低炭素社会へ転換する道筋を行動計画として7月中にも示す方針である。 洞爺湖サミットのG8首脳宣言は「2050年までに温暖化ガス排出量を半減する目原を全世界が共有し、国連の交渉で採択するよう要請」し、「目的の達成はすべての主要経済国が適切な時間的枠組みの中で、世界全体の排出の増加を減速し、止め、反転させ、低炭素社会に移行する決意を通してのみ可能」と謳っている。 新興国を含めた全体の数値目標に合意できなかったものの、地球温暖化への危機感は確実に高まりつつある。 これからは「低炭素社会」を合言葉にポスト京都議定書の枠組み作りに拍車がかかり、化石燃料の一つとして石油への風当たりも強まるので、石油産業は難しい選択を迫られよう。 ただ、「低炭素」は「脱石油」ではない。 人類の豊かな暮らしに不可欠なエネルギーを最適利用してCO2排出量を最小限に抑えられる社会をどう構築するかが問題なのである。 低炭素を脱石油と混同して、経済成長を阻害し、日本だけが繁栄から取り残されないよう注意しないと危ない。