降下性壊死性縦隔炎に対してカテーテルドレナ一ジ術 が奏効した1症例

摘要

降下性壊死性縦隔炎は,口咽頭膿瘍や頸部外傷 などに伴う膿瘍が筋膜閲隙に沿つて縦隔へ至る炎症性疾患である。死亡率は諸外国では約10? 40%と報告されている。本邦では，Sumiら が89例の検討で5.6%の死亡率と報告している。 既往歴としては糖尿病が3割を占める。原因疾患 としては，咽頭部感染，扁桃炎?扁桃周囲膿瘍， 歯性感染が多い。原因菌は好気性菌はStreptococcus 属, Staphylococcus属,嫌気性菌はBacte-roides属,Peptostreptococcus 属などである。重 篤な疾患であり，従来から治療として外科的ァプ ローチを推奨している報告が多くみられるが,救 急領域ではカテーテルドレナージ術でも良好な成 績が得られることが注目されている。