超撥水微細構造加硫ゴム表面の延伸による濡れ性変化

摘要

近年，自然界の機能性表面などを模倣し人工的に優れた材料を生み出サバイオミメテイクスと呼ばれる研究分野が注目されている。特にハスの菜や昆虫の体表に代表されるような，微細構造が濡れ性を増強することによって生み出される超撥水性材科が数多く報告されている。しかしながら微細構造の作製には疎水性高分子ヤシリコンなどの無機材料を利用していることが多く，硬度はそれなりにあっても靭性がなく，触れると容易に微細構造が破壊され，超撥水性が失われてしまう。この耐久性の低さが超撥水性材料を一般的な材料として普及させる上での大きな課題となっている。我々はその課題を解決すべく，タイヤに代表される加硫ゴムに着目した。加硫ゴムは疎水性材料であり，ゴム弾性を有していることから触れても変形してエネルギーを逃がすことが可能で，微細構造が破壊されにくいのではないかと考えた。