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摘要

心筋炎の診断はDallas基準をはじめとする心内膜心筋生検による病理学的な診断が基準になってきた. しかし,心筋生検は侵襲的で特異度も高くないことから，成人領域では心臓MRI(CMR)を用いた診断方 法が認可されるようになってきた.米国心臓協会(AHA)の小児心筋炎の委員会は，左心機能低下，トロポ ニン上昇,心室性不整脈，STの変化，ウィルス感染などの所見があり，新たに発症した心不全を認めた 場合，CMRを心筋炎診断の次のステップとして使用し，心筋生検は必要に応じて考慮することを提唱し た.CMRでは,心筋浮腫はT2緩和時間延長によりT2強調画像でシグナルが増強し，心筋線維化はnative T1延長，心筋組織の細胞外容積分画(extra-cellar volume fraction ； ECV)増加として表される.また心外 膜下のガドリニウム遅延造影も認められることが多い.これらの所見を基に機械的補助循環を開始するか どうか決定する.免疫調整薬,免疫阻害薬もそれぞれの施設で使用されているが，はっきりしたエビデン スはいまだ確立されていない.