《エコノミストの目》ガラパゴス化する新幹線

摘要

最近、日本が世界に誇る新幹線という高速鉄道は、日本だけの特殊な鉄道であって、世界の基準とはかけ離れたものではないかという議論が始まっている。筆者も、以前から日本の新幹線は、日本の特殊な条件のもとで、初めて成功した鉄道システムではないかと考えている。確かに、東京と大阪を2時間半で結び、運行時間が1分も違わないはど正確で、15分に1本の割合で運行され、飛行機のように搭乗時刻の15分前にはチェック·インする必要があり、荷物の検査等で時間を費やすことと比較して、東京駅で気軽に乗り換える土とができる。筆者の自宅から大阪の中心部までいくために必要な時間を比較すると、飛行機のように羽田空港まで電車あるいはモノレールでいく時間、空港でチェックインに必要な時間、荷物検査で費やす時間、伊丹空港から大阪の都心部までいく時間を合計すると、新幹線で気軽に席に座って、大阪の都心部までいくことのほうが、はるかに時間的に短い。経験的には1時間は時間を節約できる。しかも、定時性という観点から見ると、飛行機は搭乗から滑走路の離陸までの時間が正確ではない。また、着陸時の空港の混雑によって遅延することも多い。飛行機と比較して、こうした多くの条件があるからこそ、東海道新幹線は、世界で一番成功した高速鉄道といわれている。